Philosophy
「鮨は引き算だ」
— 師匠の言葉
鮨を握る行為は、計算ではなく対話だと思っています。素材と話す。季節と話す。目の前のお客様と、無言で話す。
修業中、師匠に言われた言葉があります。「鮨は引き算だ」。余計なものを全部取り除いた先に、本当の味がある。その言葉を、今も毎日思い出しながら握っています。
完全予約制にしたのは、一組一組と真剣に向き合いたいからです。同時に多くの方を迎えることより、今夜ここに来てくださった方の記憶に残る一夜を作ることを選びました。
完璧な鮨など、存在しないと思っています。だからこそ、明日も握る。昨日より少しだけ、素材の声が聞こえた気がする——その感覚だけを頼りに。
鮨かねみつが目指すのは、食べた方の記憶の中に、静かに残る一夜です。